2024/12/25 22:57
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こんばんは。上ナシのフーテン𝓜です。
クリスマスですか。今年はあまりクリスマスツリーを見かける機会がなかったような気がしますが、たぶんボクが外にあまり出なかったせいかもなあ。
クリスマスツリーのてっぺんに飾られる星の飾りは「ベツレヘムの星」を表し、ボールの飾りは「禁断の果実」を表しているとか。
今年は西の空にベツレヘムの星は出たか!?
ベツレヘムの星は八芒星で表される
その中で
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彼らは、三人姉妹が神聖な食べ物としてトウモロコシを人々に与えたときに意図したのと違うトウモロコシの使い方をし始めた
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とありました。
急に「三人姉妹」が出てきて、意味わかんない!?ってなったんじゃないか。
いや、目聡い方は、ネイティブアメリカンに古くから伝わる「スリーシスターズ」という農法のことだろ!?って気づいたはず。
トウモロコシ、豆、カボチャは、相性の良い野菜の組み合わせで、「コンパニオンプランツ」として知られています。ネイティブアメリカンに古くから伝わる農法では、トウモロコシとカボチャを植え、その脇に豆を蒔く。さすればトウモロコシの茎が豆の支柱となり、お互いに助け合って成長する....etc
家庭画報.comには「トウモロコシ、豆、カボチャを一緒に植えるとうまく育つー伝統的なスリーシスターズ農法ー」という記事が出ています。
家庭画報.comの記事の目次を拾うと
★目から鱗のスリーシスターズ
★3種の植物が支え合うアメリカ大陸の伝統農法
★古から受け継がれる「三姉妹(スリーシスターズ)」物語
とあります。興味のある方は三姉妹の物語を写真とともにお楽しみください。
ということで、今日は引き続いて、ロビン・ウォール・キマラー著『植物と叡智の守り人』の中から「三人姉妹」についての記述を紹介しましょう。
あ~あ、スリーシスターズっていっても、オーストラリアのスリーシスターズじゃないですよ(*_*)
あしからず。
本日もコナコーヒーを飲みながら、コナのお供は、レモンケーキで。
あなたもコーヒーを飲みながら、のんびりとした気持ちでお読みください。
それでははじまり、はじまり~
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ずいぶん前のことだが、チェロキー族のアウィアクタという作家に小さな包みを手渡されたことがある。
乾いたトウモロコシの葉を折って作った小袋が紐で縛ってあった。
彼女は微笑んで、「春になるまで開けちゃダメよ」と言った。
五月になって紐をほどくと、贈り物が出てきた
――種が三つ。
一つは金色で三角形をしていた。トウモロコシの実。
上の方は幅が広くてくぼみがあり、下に向かって細くなって、先端は白くて硬く尖っている。
それからつややかな豆。
茶色い斑模様があり、なめらかな曲線を描いて、内側には白い目のようなへそがある。
親指と人差し指でつまむと磨かれた石のようにツルツル滑るが、これは石ではない。
そして、楕円形の陶器のお皿みたいなカボチャの種。
中身がいっぱい詰まったパイの皮みたいに、縁がひだ状に閉じている。
私の手の中には、先住民による農業の天才的な知恵、三人姉妹が乗っていた。
トウモロコシ、豆、スクウォッシュ。
この三つの植物が一緒になって、人々に食べ物を与え、土地を豊かにし、私たちの想像力を掻き立てて、生き方を教えてくれるのだ。
何千年もの昔から、南はメキシコから北はモンタナまで、女性たちは土を盛り上げてはこの三種類の種を蒔いてきた。
同じ畑に三つを一緒に植えるのだ。
マサチューセッツ州の沿岸に入植した白人たちは、初めて先住民の畑を見たとき、この野蛮人たちは農業の仕方を知らないのだと推察した。
彼らにとっての農園とは、一種類の作物がまっすぐな列に植えられているところのことで、豊かな作物が三次元的に拡がるその畑ではなかったのだ。
とは言いつつ、彼らはその作物を食べ、もっとよこせと言った――何度も何度も。
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「相性の良い三つを同じ畑に一緒に植える」と「農園とは一種類の作物がまっすぐな列に植えられているところ」
このあたりの感覚の違いは、慣行農法と慣行農法とは違ったアプローチをする自然農法との溝と同じようなことなのかもしれませんね。
それぞれ理由や事情があって、そうしているわけで、だいたい二者択一の話、対立軸で捉えられがちですが、何千年にも渡って行われてきた先人の農法がなぜそうされてきたのかは知っておきたいですよね。
引用を続けます。
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・・・・・・・ネイティブアメリカンの人たちはこの栽培方法を「三人姉妹」と呼ぶ。
それがどうやって始まったかには諸説あるが、この三つの植物が女性であるという点ではどれも一致している。
いくつかの物語によれば、飢えによって次々に人が死んでいくある長い冬のこと、三人の美しい女性が雪の降る夜に部族の住まいにやって来たという。
一人は背が高く、黄色い服を着て、長い髪をなびかせていた。
二人目は緑色の服、三人目はオレンジ色の服を着ていた。
三人は家に入り、火のそばに座った。
食べ物は乏しかったが、人々はわずかに残った食べ物をこの見知らぬ客にたっぷりとふるまった。
その寛大さへの感謝の印に、三人姉妹は自分たちの正体を明かした――トウモロコシ、インゲン豆、そしてスクウォッシュ。
そして、人々が二度と飢えることのないように、自らをひと塊の種にして差し出したのだ。
日が長く、強い日差しが照りつけ、雷とともに雨が大地を濡らす夏の盛り、三人姉妹の育つ畑を見れば、相互依存が教えてくれることは一目瞭然だ。
私には、三種の植物の茎が一緒になったところが、まるでこの世界の青写真、バランスと調和への案内図に見える。
トウモロコシは背丈が2.5m近く、細かく揺れる緑のリボンのような葉は茎から四方八方に反り返るように伸びて日の光を捉えている。
葉は隣の葉と重ならないように生えていて、すべての葉が他の葉の陰にならずに光を集められるようになっている。
インゲン豆は、トウモロコシの葉の間を縫うようにして茎に蔓を絡ませ、トウモロコシの邪魔は決してしない。
トウモロコシの葉が生えていないところでは、インゲン豆の蔓から芽が出て葉が伸び、芳しい花がかたまって咲く。
インゲン豆の葉は、トウモロコシの茎に近いところに下向きに垂れ下がる。
・・・・・・・・この三つが姉妹であることは明らかだ。一人がもう一人に、リラックスした様子で楽々と巻きつき、末っ子の妹は、二人の足元の、遠くはないが近すぎもしない距離のところでのんびりとくつろいでいる。
三人は競争し合うのではなく、協調しあっているのだ。
・・・・・この楽園には何層にも重なった相互依存関係、レシプロシティーが存在する。
インゲン豆と細菌、インゲン豆とトウモロコシ、トウモロコシとスクウォッシュ、そして最終的には人間とのレシプロシティー。
この三つの植物は意図的に協力し合っているのだ、と想像したくなるし、実際にそうなのかもしれない。
だが彼らのパートナーシップの素晴らしいところは、それぞれの植物の行動は、自分自身の成長のためにしていることだ、という点だ。
たまたま、個々の植物が元気に育てば全体も元気になる、ということなのである。
三人姉妹のあり方を見ていると、私の部族に伝わる根本的な教えの一つを思い出す。
私たち一人ひとりにできる一番大切なことは、自分だけに与えられた力は何であるかを知り、それをこの世界でどうやって使うか、ということだ。
個性は大切であり、大事に育てられる。
なぜなら部族全体の繁栄のためには、私たち一人ひとりがありのままに強くあり、与えられた力を自信を持って掲げ、他者と分かち合わなければならないからだ。この三姉妹は、メンバーの一人ひとりが自分の能力を理解し、他者と分かち合ったときにどんなコミュニティーが生まれるか、そのことを可視化している。
レシプロシティーという関係によって私たちは、お腹を満たすだけでなく、精神もまた満たすのだ。
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※用語辞典DICTIONARYによれば、レシプロシティは返報性を意味する。具体的には何かを与える場合は見返りを期待し、受け取る場合は見返りをすることを意識する共通認識のこと。
なんとも考えさせられる話ですね。
【自分だけに与えられた力は何であるかを知り、それをこの世界でどうやって使うか】、そのうえで【与えられた力を自信を持って掲げ、他者と分かち合わなければならない】、なぜなら【他者と分かち合ったときに】よりよいコミュニティーが生まれるんだから。トウモロコシ、豆、かぼちゃ、この三姉妹の関係は【そのことを可視化】してくれている、と。
アメリカの大統領選挙でも、日本では、かつての中選挙区制から小選挙区へ移行して、【Winner take all.】いわゆる勝者総取り方式がとられているわけですが、選挙で自分に与えられた力を選挙結果で知り、その力を他者と分かち合わずに、他社を蹴散らす大義名分にしていると言ったら言い過ぎか。
ヌハハハ、選挙結果を見たであろう!
わしに従え!この選挙結果が目に入らぬか!ってわけです。
韓国では、大統領が任期を終えたあとに畳の上で死ねることはない!なんて・・・
つまり、われわれの世界は、三姉妹が可視化している世界以下、ことばでいえば『前進せよ、さもなくば死あるのみ』というわけです。
人類が現在のところ、行き着いた最良と思われる到達点として政治の世界では、多数代表制があるわけですが、まだまだトウモロコシ、豆、かぼちゃの三姉妹連合には及ばぬようです。
いや、経験をまだ積んでいるんだ!これから人類がよりよい場所に行くための通過点なんだと考える他なさそうですね。
こうした三姉妹のお話は、ボク自身が最後にそうしたように植物の世界の話を人間の世界に当てはめて、あーでもない、こーでもないという教訓話になりがちなんですが、農業やコーヒー農園のあり方など現代の農業や農法そのものになにがしかの問いかけをしている点は見逃せません。
つまり、【同じ畑】に相性の良い【三つを一緒に植える】ことで、【一種類の作物がまっすぐな列に植えられているところ】よりも【豊かな作物が三次元的に拡がる】畑になりうるんじゃないか、という点です。
それらについては、また稿を改めてここで書きたいと思います。
レモンケーキも食べてなくなっちゃったし、コナコーヒーも三杯飲みほしたので今日はここまでにしておきます。
人生は続く...
迷わず行けよ!行けばわかるさ!
タァー!